こんにちは!
教養派アート入門メディア『3L museum』を運営している、白くま館長(@3Lmuseum)です。
アートには、その作品自体の価値以外にも、様々な『付加価値』を持っています。
アート鑑賞をする際、アートの付加価値を知ることによって、より一層アートの魅力を引き立てることができます。その一方で、アートの付加価値を知る行為は、鑑賞によって得たアートの魅力に傷をつけてしまう恐れのある諸刃の剣でもあります。
そんなメリット・デメリットを併せ持つアートの付加価値を得ることが、そのアートを好きになるか嫌いになるかを最終的に決定するボーダーラインのようなものとも言えるでしょう。
今回は、そんなアートの持つ付加価値について、深掘りしてお話していこうと思います。
◎この記事を読んでわかること
・アートが持つ付加価値の正体
・アートの付加価値を知るメリット
・アートの付加価値を知るデメリット
・どれくらい詳しく知るべきか
アートの付加価値ってなに?
アートの持つ付加価値とは、そのアートに関する情報です。
アートを直感で感じ、見るのは、あくまでも鑑賞者の予測です。そこからより深くアートを知るためには、アートの持つ基本的な情報を知らなくてはなりません。
例えば、街中で「あの人かっこいい!」と一目惚れしても、その人の内面まではわかりませんよね。自分の心の中で気持ちを留めておくのなら問題ないのですが、本命で付き合いたいとなるならば、その人について知るべきでしょう。
このように、相手をもっと知るための情報が『付加価値』というわけです。
具体的にアートの持つ付加価値について、いくつか紹介します。
・作者
・時代背景
・作品制作の意図
・技法
・画材
・所蔵美術館
これらが例として挙げられます。
時代背景を知れば、当時どんな流行があって作品が生み出されたことがわかります。ほかにも、技法を知ることで新しい視点を得ることができます。
このように、アートの付加価値を知ることで、作品の理解を深めることができるとともに、新たな魅力や視点を発見することができるのです。
アートの付加価値を知ることの欠点
どうしても、自身のイメージとアートの持つ付加価値は、食い違うことが生じてしまいます。
そのギャップがより魅力的で好きになるのであれば大丈夫なのですが、その作品の真実を知ってしまった途端になんか怖くなる、なんてことも考えられます。
先ほどの例だと、「一目惚れした人が実は詐欺師だった……」なんてパターンです。
アートにおいても、「この絵を描いた画家の正体は、ギャンブルに溺れていて酒に飲まれていた」という情報を知り、マイナスイメージが先行してしまうことで自身の拒否反応につながってしまうことも考えられます。
しかし、付加価値を知ったところで、その作品が嫌いになるということは基本的にほぼないと個人的には思います。ただ、アートはそのような可能性を持っているということも、念のため把握しておくことが大切なのです。
付加価値をたくさん得るのは慣れてきてから
アートの付加価値の正体が作品にまつわる情報なのはわかりましたが、どこまで知ればいいのかの線引きがわからないと思います。
とくにアートを触れて間もない頃は、どのくらいの付加価値をアートから得ればいいのか難しいところがあります。作品のことをどんどん知ることはとてもいいことなのですが、正直に言うとアートの持つ付加価値はキリがありません。
なにも知らない頃に膨大な情報をインプットし続けた結果、調べ疲れたりアートから離れたりしたら、元も子もありません。
そのため、アート初心者の方は、付加価値を知りすぎないことをおすすめします。
例えば、「最初のうちは作品名と作家名、時代背景だけを知る」といった具合に、情報を選別するといいと思います。このように、初めのうちは無理せず少しずつアートに触れていくことが大切です。
だんだん鑑賞に慣れてきたところで、付加価値の量を少しづつ増やしていくと、効率よく教養としてアートに触れることができると思います。
まとめ
今回は、アートの持つ付加価値について解説しました。いかがだったでしょうか。
アートの付加価値、つまり作品に関する情報を知ることで、新たな魅力を得られたり、知らない自分を知ることができたりします。慣れないうちは、少しずつ作品に関する情報を調べるのがおすすめです。
この付加価値こそが、アートに触れることの醍醐味なので、ぜひ深くアートを触れてみてください。