こんにちは!
教養派アート入門メディア『3L museum』を運営している、白くま館長(@3Lmuseum)です。
最近、書籍を筆頭とするアートブームが到来して、美術館に足を運ぶ人も増えたのではないでしょうか。
たしかに、アート鑑賞は自分の感性を磨けたり、ビジネスでも役立つ思考法を身につけることができたりと、得られることはたくさんあります。
しかし、自分勝手になんでもしていいわけではなく、美術館にもルールが存在しています。
なので今回は、『美術館での5つの注意事項』について紹介します。
普通に鑑賞していれば全然守ることのできるルールですが、意外にも守れていない人が大勢います。
これから鑑賞する上で、「こんなことを気をつけなきゃいけないんだ」と意識付けたり、「自分は守れているかどうか」の再確認の意味で疑問を解消したりするために、この記事を読んでみてください。
美術館で鑑賞するときの注意事項5選
美術館での具体的な注意事項は、以下の5つです。
・作品に害を与えるモノを持ち込まない
・大きな荷物を持ち込んでの鑑賞は控える
・大きな声での会話は控える
・写真は指定の範囲内で撮影する
特に、初めて美術館に訪れる人にとっては、厳しいと思うかもしれませんが、内容を紐解いてみると全然難しいことではありません。
ここからは、理解を深められるように一つひとつを解説していきます。
作品に触れない、近づきすぎない
触らない
基本的に、作品に触れる行為はNGです。
理由としては、作品が一点物であるからです。
触れて爪などで傷つけてしまうと、作品の状態が変化してしまったり、状態が悪くなってしまったりします。
万が一傷つけてしまった場合、「損害賠償の対象になる」なんてこともあるので気をつけてください。
また、意外と見落としがちなのが、彫刻や立体の現代アートです。
これらの作品は野外や展示室内のど真ん中、導線上に置かれているケースがあります。
ついつい触れたくなってしまうような作品たちですが、それでも基本触れることは禁止なので、注意しましょう。
加えて、作品を展示するガラスケースも触れないようにしましょう。
手の指紋がついてしまうと、ガラスが汚れてほかの人が作品を鑑賞しづらくなったり、それを綺麗にしているスタッフの方々にも負担がかかったりしてしまいます。
そのような場合は、思いっきり触れて、作者の気持ちや重厚感を味わってみましょう!
近づかない
作品を鑑賞する際に、近づきすぎないことも大切です。
展示されている作品には、一定の距離を保つためにポールやテープといった鑑賞の境界線が設けられています。
作品に触れないことを守れても、それらを越えて鑑賞してしまっている人が結構多いのです。
鑑賞に夢中になるあまり、テープのボーダーラインをり越えてしまっている、線は踏んでないけれど顔は線を越えてしまっている、なんてことがあります。
作品は多くの人の前に展示される分、多くのリスクを抱えています。作品のためにも、気遣いの心を意識して鑑賞に臨みましょう。
作品に害を与えるモノを持ち込まない
作品に危害を加える恐れのあるモノを持ち込まないようにしましょう。
作品は、経年劣化していたり状態が悪化していたりと、完璧な状態ではないことがほとんどです。
それらを少しでも良い状態で保つためにも、以下のモノの持ち込みには注意しましょう。
飲食物
食べ物や飲み物は、持ち込みNGです。
理由としては、「作品を汚してしまう」「虫を呼び込む」「匂いの付着」などの可能性があるためです。
事前に食べきってしまうか、保存してロッカーに入れておくといったの対策をしていきましょう。
特に、ガムを無意識に噛んだまま展示室に入ってしまう、なんてことはありがちなので注意しましょう。
また、水分補給をする際は、いったんロッカーに戻って展示室の外で飲むなどの処置を取りましょう。
しかし、水分補給ができずに鑑賞中に気分が悪くなる可能性もあると思うので、その際は無理ぜずスタッフの方に相談してくださいね。
植物
植物も持ち込んではいけないモノの一つです。
植物は虫を呼び込む可能性を持っています。
美術品は、一部を食べられてしまうなどの虫害の危険性に常に晒されています。
虫害による被害を引き起こさないためにも、可能性のあるリスクは排除しなくてはなりません。
植物に関しても、ロッカーに保管したり、受付で預かってもらったりするといった、適切な対応をとりましょう。
ボールペン・シャープペン
ボールペンやシャープペンは、原則展示室内では使っていはいけないこととなっています。
ボールペンはインクの飛び散り、シャープペンは芯の飛散といった、それぞれリスクの可能性を持っています。
そのため、展示室内で何かメモを取りたい時は鉛筆を使用しましょう。
鉛筆は受付や展示室入り口で貸し出しをされています。アウトプットすることも大切なので、積極的に使用していきましょう。
傘
傘も美術館内に持ち込んではいけません。
傘は「作品に傷をつけてしまう」「濡らしてしまう」といった危険性を持っています。
何より、ほかの鑑賞者の邪魔にもなってしまいますよね。
傘に関しては、美術館の入り口にある傘立てに預けておきましょう。
盗まれる危険性などもあると思いがちですが、美術館の傘立てはほぼ鍵付きです。安心して利用しましょう。
補足
代表的かつ、持ち込んでしまいそうな例をいくつかあげましたが、ほかにも危険になりうるモノはたくさんあります。
持ち込みが大丈夫かわからなければ、スタッフに相談する、あるいはロッカーに入れておくのが手取り早いです。
大きな荷物を持ち込んでの鑑賞は控える
リュックやキャリーケースといった、大型の荷物は展示室内にできるだけ持ち込まないようにしましょう。
大きな荷物は、ほかの鑑賞者の迷惑になってしまいます。さらに、混雑している展示の際には、導線の邪魔になる場合もあり、周囲の人のストレスを高めてしまいます。
リュックの場合は、ロッカーに預けるかリュックを前にして抱きかかえるように持つといった対応をしましょう。
キャリーケースやそのほかの大型の荷物に関しては、受付の方などに預かってもらうといった対応を取りましょう。
大きな声での会話は控える
複数人で一緒に鑑賞する場合は、声のボリュームに注意しましょう。
『対話型鑑賞』という言葉もある通り、一緒に鑑賞して感想を共有することは、個人的には非常に大切であると思っています。
ただ、静かに鑑賞したい人など、その話し声を快く思わない人もいます。
そのため、会話をする際は静かに声のトーンを落として鑑賞することが大切です。
ついつい熱が入ってなかなかんヒソヒソ声で共有できないという人は、思ったことを鉛筆で作品リストなどに書き込み、後ほどミュージアムカフェなどで共有することがおすすめです。
写真は指定されている範囲内で撮影する
写真撮影は、著作権の関係などの理由から原則禁止です。
展示室内では、基本的に撮影はできないと思っておいた方がいいと思います。
中には「撮影OK」と書かれたキャプションがあり、撮影してもいい作品もあります。
そのアナウンスは、展示室入り口あるいは撮影可能な作品の近くに表示されていますので、その際は撮影しても問題ありません。
ただし、撮影できるとはいえ、三脚・フラッシュ・自撮り棒の使用は原則禁止なので、注意しておきましょう。
まとめ
美術館での5つの注意事項について解説しました。いかがだったでしょうか?
・作品に触れない、近づきすぎない
・作品に害を与えるモノを持ち込まない
・大きな荷物を持ち込んでの鑑賞は控える
・大きな声での会話は控える
・写真は指定の範囲内で撮影する
全部守れてる人もいれば、知らなかったことや過去にやってしまったことなど、様々な節が思い当たる人もいると思います。
5つのルールとはいえ、どれも当たり前で簡単なことなので、普通に鑑賞していれば問題ないことです。
ただ、その油断で破ってしまうということもあるので、鑑賞の際はぜひ頭の片隅にいれておくことが大切です。
みんなが気持ちよく鑑賞できるため、作品がずっと保たれるためにも、ルールを守ってアートを楽しみましょう!